
『ハイフリ』脚本・鈴木貴昭が語る制作裏話…「吉田玲子さんが物語を明確にしてくれた」
2016年放送のテレビアニメーション「ハイスクール・フリート」が劇場版になって帰ってきた!
日本列島の大半が海に沈んだパラレルワールドを舞台に、海上の安全を守る職業“ブルーマーメイド”を目指す少女たちのドラマを描く本作。
『劇場版 ハイスクール・フリート』(公開中)では、呉・舞鶴・佐世保を含めた全女子海洋学校の生徒が一堂に会し、文化祭と体育祭を行う「競闘遊戯会」を実施。
大和・信濃・紀伊など超大型艦も集い、晴風メンバーたちに「ハイフリ」史上最大のピンチが訪れる…!
テレビシリーズから原案・脚本を務めてきた鈴木貴昭に物語作りのこだわりや、劇場版の見どころ、制作裏話などを語ってもらった。
■ 「吉田玲子さんはセリフ一つでキャラクターの説明ができる」
「ハイフリ」を描くうえで、スタッフ陣は2つのテーマを大切にしていたという。
「一つは“絆”です。友人、家族、乗員同士など、様々な形の絆を描いています。
本作では特に、クラスメイトになった女の子たちが絆を結び家族になっていく姿を描くことを意識しました。これが表のテーマです。
2つ目は言わば裏のテーマで、“ミリタリー初心者に優しい作品を作ろう”というものでした。
こういったジャンルはどうしてもマニアックな方向に進んで行きがちです。
ジャンルの閉塞を防ぐべく、定期的に新しいファン層を増やすために、
わかりやすいものを意識して作っていました。だからこそ、女の子たちの絆を描くことがメインテーマだったんです」
多くのキャラクターが登場する本作で、シリーズ構成の吉田玲子の存在は大きかったそうだ。
「『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』や『ガールズ&パンツァー』でもご一緒し、毎回吉田さんのすごさを実感しています。
しっかりと計算し、セリフ一つでどういうキャラクターなのかを説明することができる、本当にすごい方です。
僕には手が届かない存在ですし、真似できないと思っています。それぞれのキャラの個性が立ったのは吉田さんのおかげです。
僕じゃなきゃできない部分、そして共同脚本の岡田(邦彦)さんじゃなきゃできない部分、それぞれの得意分野をしっかり活かして進めることができたのも、
吉田さんが物語の構成と関係性、途中に必要な出来事などを明確にしてくれたからこそだと思っています」
■ 「もえかが、ましろに明乃をまかせていい!と思える状況を作ることがポイント」
作品を手掛けるうえで、どんなところにこだわっているのだろうか?
「監督のアイデアにはできるだけNOと言わないことです。作品は監督のものだと思っています。
だからこそ、監督のアドバイザーになれるようにアイデア出しをすること、これが僕らのやるべきこと、自分の役割だと思っています」
劇場版で一番描きたかったことを教えてもらった。
「テレビシリーズではもえかが明乃を見ているという関係性があります。しかし、その中にましろは入っていません。
劇場版ではましろも加わった三角関係がきちんとでき上がり、それぞれがお互いを意識できる関係にしたいと考えていました。
もえかが、ましろに明乃をまかせていい!と思える状況を作ることがポイントでしたね」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200123-00220238-mvwalk-movi