
「本当に戻ってくるまでは安心できない」。顧客らは見通しが示されない中、不信感を募らせている。
東京都港区の男性会社員(25)は昨年5月、別の交換業者で仮想通貨ビットコインを十数万円分購入。
直後に相場が上昇したことから約300万円を投じ、コインチェックを含め複数の業者からネムなど十数種類を買った。
一部はさらに別の通貨に交換し、保有通貨の時価総額は一時1800万円に達した。
コインチェックの不正流出は1月26日夕、インターネットのニュースを見た同僚から聞いて知った。
預けていたネムは当時のレートで約68万円分。他の通貨も含めると約450万円分あり、慌てて引き出そうとスマートフォンを操作したが、既にできなくなっていた。
昼ごろ同社から「ネムの入出金を停止している」と通知があったが、システムの不具合だと思っていたという。
同社はネムを失った顧客約26万人に総額約463億円を支払うと表明したものの、返金のめどは立っていない。
「本当に戻ってくるまでは安心できない」。男性は不信感を隠さず、「リスク回避の重要性を改めて勉強させてもらった」と諦め顔で語った。
ネム以外の仮想通貨についても、同社はシステムの安全性が確認できないとして入出金を停止している。
約300万円分のビットコインを預けている20代の男子大学生は、「最悪なくなっても仕方がない。投資した時点でリスクはあると分かっていた」と冷めた様子で話した。
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