ワクチンを2回接種したのに感染した――。兵庫県で4日、新型コロナウイルスの陽性が確認された女性2人のうち、
30代女性は6月1日に、40代女性は4月14日に2回目の接種を終えていた。30代女性は接種翌日に発熱し、PCR検査で陽性と判明したという。
埼玉県でも先月、2回目の接種を受けた60代の医師が体調を崩し、検査の結果、陽性と判明。同県感染症対策課は「ワクチンで感染を完全に防げるわけではない。
接種後も引き続き感染対策が必要」と注意を呼びかけている。
「そもそもワクチンはウイルスが体内に入るのを防ぐものではないのです」と言うのはハーバード大学院卒で近著に
「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)がある医学博士の左門新氏だ。こう続ける。
「ワクチンの効果は、コロナウイルスが体に入った場合、発症を防ぐ、あるいは重症化を軽減するもの。
発症していなくても、喉にウイルスが存在すれば接種後に陽性となるケースはあり得ます。
ワクチンは2回目の接種の1週間後に体内に中和抗体が立ち上がり、2週間後に本格的な効果が出ると考えて欲しい」
横浜市大が血液を採取して実施した研究だと、ファイザー社のワクチンを2回接種した人の99%に従来株に対する中和抗体が確認された。
つまり従来型でも効果のなかった人が1%はいることになる。ちなみに、英国型は94%、インド由来の変異株は97%だった。
「米国ではワクチン接種を完了した約1億100万人のうち、2週間後に陽性反応が出たのは1万262人。わずか0.01%です。
この調査は血液ではなく、唾液などを調べたPCR検査の結果です。
日本も同程度と考えられ、2回接種後も感染する人は、もともとワクチンが効きにくい体質の可能性もあります。
ただ、どんな人が該当するのかは医学的に解明できていない。ワクチンを打てば安心できるけど、過信すべきではありません」(左門新氏)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/290182