7月4日に公示され、全国で選挙戦が始まった2019年参議院選挙。選挙区に加えて比例代表もありますが、実は衆院選の比例代表とは仕組みが大きく違います。正しく知って1票を有効活用してみてはいかがでしょう。詳細は以下から。
参議院選挙では衆議院選挙と同じように、有権者は選挙区と比例代表の1人2票を投票することができるのですが、比例代表の仕組みが違っていることをご存じでしょうか?知っていれば、比例代表から出馬しているあなたの「推し候補」をより当選に近づけることができてしまうのです。
◆参議院選挙で採用されている「非拘束名簿式比例代表制」って?
比例代表制は各政党の得票率に応じて議席数を配分する制度のこと。そして参議院選挙の比例代表制は2001年の第19回通常選挙から「非拘束名簿式比例代表制」が採用されています。
これ以前の参議院の第13~19回通常選挙で行われていた「拘束名簿式比例代表制」では各政党の得票数に応じて議席が分配され、あらかじめ党が提出した名簿順に当選していくという方式でした。
しかし現在の「非拘束名簿式比例代表制」では党の提出する名簿には当選順位という概念がありません。その代わり有権者が書いた「候補者個人名」の多さによって当選順位が決まって行くのです。
◆「候補者個人名」を書くとこんなにお得!
ここで大切なのは、「非拘束名簿式比例代表制」では「政党名」と「候補者個人名」のどちらを書いてもよいということ。各政党の得票数は「政党名」の数と「政党名簿に登載された候補者個人名」の合計になります。
その後合計された各政党の得票数がドント方式によって議席が分配され、書かれた「候補者個人名」の順に当選が決まっていくことになります。
例えば比例代表から出馬した〇党の△候補を応援したい場合、「〇党」と書くと確かにその「〇党」の得票数にプラスになりますが、「△候補」と個人名を書いた場合は「〇党」の得票数にプラスになった上、「△候補」の党内での当選順位をも押し上げることになるのです。
つまり「候補者個人名」を書けばその候補の所属政党の得票数を増やし、候補者本人の当選順位も上げられるという「一石二鳥」になるということ。
◆新たに導入された「特定枠」って何?
なお、今回の参院選の比例代表から「特定枠」という新しい制度が導入されています。これはあらかじめ順位を指定し、優先的に当選できる枠で、「非拘束名簿式比例代表制」よりも上位に扱われます。
この制度では、個人票の票数に関係なく「特定枠」の候補がまず名簿の順位に沿って当選、その後は個人票が多い順に当選