0001ばーど ★
2017/05/21(日) 06:06:47.12ID:CAP_USER9雲南市で19日、国の特別天然記念物・コウノトリの雌(5歳)がサギ駆除中の雲南市猟友会員による誤射で死んだ。
雄(2歳)とペアで営巣して産卵、4月下旬以降に孵化ふかしたヒナ4羽を子育て中で、放鳥されたコウノトリが撃たれて死んだのは初めて。
同市は同猟友会に対し、誤射への注意喚起をしていなかった。(中筋夏樹、安恒勇気、中瀬有紀)
事故が起きたのは19日午前10時頃。同猟友会の60歳代男性が市内の田んぼで、稲を踏み倒すとされるサギと間違えてコウノトリの雌を散弾銃で撃って死なせた。
兵庫県立コウノトリの郷さと公園(兵庫県豊岡市)が放鳥前、個体識別用に着けた足輪を見てコウノトリと気づき、連絡を受けた別の猟友会員が市に報告した。巣から2〜3キロ離れた地点だった。
死んだ雌は体長1・1メートル。同公園によると、サギの中でもアオサギはコウノトリより一回り小さいが、体形などがコウノトリに似ている。
最大の違いは飛び方で、サギは首をS字状に曲げるが、コウノトリは首を真っすぐに伸ばして飛ぶという。
男性は同市に「射殺する前はコウノトリの特徴の黒い羽が見えず、サギだと思った」と話した。
雲南署は19日、男性から事情を聞くなどし、文化財保護法や銃刀法に違反していないか調べている。
関係者によると、男性は19日、ひどく落ち込んでいたが、20日は猟友会の関係者らに陳謝して回っていたという。
■徳島では狩猟禁止
見守りを担当する同市教委は、ヒナの生育に悪影響が及ぶことを恐れて、巣の近くの住民を除き、巣の場所を明らかにしておらず、同猟友会にも伝えていなかった。
同市教委の小山伸しん教育部長は「コウノトリの営巣は初めてのことで、サギと似ていることをきちんと伝えることに思いが至らなかった。
今後はこういうことが起きないように啓発していきたい」と話す。
また、有害鳥獣駆除を担当する同市林業畜産課の杉原律雄課長は「これまでは人がけがをする事故を起こさないようにとの注意喚起しかしていなかった。
これを機にコウノトリへの誤射が起こらないような対策を検討する」と話した。
一方、コウノトリの飛来を受け、狩猟を禁止するなどの対策に乗り出した自治体もある。
徳島県は2015年、鳴門市でコウノトリが営巣したため、周辺地域を鳥獣保護区に指定し、鳥獣の捕獲・狩猟を禁止した。
■ヒナへの対応急務
雲南市は事故前、ペアでの子育てが順調にいけば、ヒナは7月にも巣立つとみていた。同市は20日早朝から職員が交代で、巣に残された雄やヒナを見守った。
雄は夕方までに9回、ヒナに餌や水を与えるために飛び立ち、その間、巣がヒナだけになっていたという。
同市教委文化財課の担当者は「親がいない隙にカラスなどに襲われる危険性がある。
ヒナの保護を含めて、コウノトリの郷公園などの助言を受けながら、今後の対応を早急に決めたい」と話した。
日本コウノトリの会(豊岡市)の佐竹節夫代表の話「雲南市は外部の人間から巣やヒナを守る対応を取っていたが、猟友会との間で、コウノトリとサギを見分ける知識を共有しておくべきだった。
コウノトリが突然、営巣したため、完璧に対応するのは難しいことだが、今回の事故を教訓として同様の事故を防ぎたい」
<コウノトリ> 兵庫県豊岡市の県立コウノトリの郷公園によると、日本の野生のコウノトリは1971年、豊岡市で最後の1羽が死んで絶滅。
85年に旧ソ連から幼鳥が贈られたのがきっかけで繁殖が軌道に乗り、2005年から野生繁殖を進めるために放鳥している。
現在、人工飼育が約200羽、野外に93羽いる。
雲南市では今年4月に孵化。野外での孵化は、放鳥が始まって以降、豊岡市と周辺以外では、今年3月の徳島県鳴門市に続き2例目だった。
誤射で死んだコウノトリの雌(4月22日、雲南市で)
雲南市の田んぼに飛来したアオサギ
2017年05月21日
YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20170520-OYTNT50088.html
他関連ソース
ひな4羽、週明けにも保護判断 島根・雲南市教委関係者が見通し(2017.5.20 18:33)
http://www.sankei.com/west/news/170520/wst1705200075-n1.html