3月末にサッカーJ2ファジアーノ岡山代表を退任し、Jリーグ専務理事に就任することが決まった木村正明氏が2月28日午後、岡山市内で記者会見。道半ばでチームを離れる率直な思いを語りました。
「気持ちを整理して記者会見でお話しさせていただきます」。前日にこんなコメントを出した木村代表は、会見の冒頭で「これまで12年間ありがとうございました。うまくしゃべられないこともあると思いますが、質問には誠実にお答えしていきます」と語り、まだ考えがまとまってない様子をうかがわせました。
専務理事就任については、2月中旬ごろ、Jリーグの村井満チェアマンから直球で打診があったと語り、「チェアマンに迫力があった。『NO』を言えないのは分かっていたが、あまりにも唐突だった。就任すればクラブを離れないといけないため、短い時間で自分の中で整理がつけられなかった」と明かしました。7年前から代表とは違う立場でチームに関わることも考え始めていたとも話し、「今年を集大成の年にするつもりだった。そのため動揺、当惑が大きかった」と心情を吐露しました。
今回の人事は「1年前から準備ができていたわけではないので、シーズン後改めて考えてもらいたい」と話しました。鈴木徳彦ゼネラルマネジャー(GM)が後任の代表に就くことは、「選手らの信任が厚い鈴木GMが、チームの動揺を防ぐベストな人事」と説明しました。
この12年間で一番印象に残っている出来事には、JFL(日本フットボールリーグ)昇格を目指して戦った2006、07年の地域リーグ決勝大会を挙げました。「もう1年かかったらクラブはなくなっていた。不安ばかりで、勝ち上がったときはおえつしてしまった」と当時を思い出し、目に涙をためていました。
不安を感じるサポーターに向けては「クラブはこのあとも大丈夫。できれば、今まで以上の声援・支援をお願いしたい。必ず岡山に戻ってきます。そのときはJ1の舞台、満員のスタジアムで盛り上がる岡山に帰りたい」と呼び掛け、「(専務理事として得た)人脈や経験は岡山に還元できる。1回(チームを)出ることは、ファジにプラスになる」と語りました。
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