7/2(火) 7:31配信
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https://news.yahoo.co.jp/articles/cf1c53365ef582f39506f159f89c00eaebd46828
「一触即発じゃないのかな」
と顔をしかめながら話すのは、日本維新の会の国会議員。
維新で国政を率いるのは馬場伸幸代表。だが、維新の顔といえば、共同代表でもある大阪府の吉村洋文知事だ。その2人の間に亀裂が入っているというのだ。
6月に入って、馬場代表がネット番組などで、「大阪都構想をやらなければならない」「もう1回大阪都構想へチャレンジすることが国にとって必要」と、これまで住民投票で2回否決されている大阪都構想への3度目の挑戦を表明した。また、過去2回の住民投票は大阪市のみだったが、法改正して大阪府全体で住民投票をするという案も示した。
すると吉村知事は記者会見で、「(馬場)代表の個人的な意見だ」「万博の成功は選挙の公約でもあり、世界的なプロジェクトである万博に注力すべきだというのが僕の考え」と否定的に発言した。
吉村知事は、2020年に大阪都構想が2度目の住民投票で敗れた際に、「私が大阪都構想に挑戦することはない」と今後の挑戦を否定し、3度目の都構想を進めるのであれば、「なんらかの民主的なプロセスが必要だ」と明言していた。
今回、馬場代表が言い出した「法改正して大阪府全体での住民投票」について問われると、「法改正での大阪府での住民投票は、自分の民主的プロセスには入っていない」と重ねて否定した。
大阪府の幹部が説明する。
「吉村知事は馬場代表が『3度目の大阪都構想』と表明したとき、えらい怒ってました。馬場代表とも直接話したようで『それはない』『メディアにもそう言いますから』と都構想の挑戦を否定してました。結局、メディアの前では『代表の個人的な意見』と言って収めましたが、大きな溝があると感じました」
馬場代表と吉村知事の意見の食い違いはほかにもある。
■「与党入りしなくても政策は実現できる」
5月に馬場代表はポッドキャストの番組に出演し、「政策が実現するなら与党に入る選択肢は排除しないのか」と問われ、「そういうことです」と与党入りも辞さない考えを示した。馬場代表は昨年7月にも「維新は第2自民党でいい」と発言して物議を醸したが、懲りていない様子だ。
この「与党入り」発言に吉村知事は反発。「与党入りしたら維新は消滅する。維新の独自の価値観、政策が大事。与党入りしなくても政策は実現できる」と馬場代表の発言を否定した。
さらに食い違いが際立ったのは、自民党の裏金問題から生じた政策活動費の改革についての考え方だった。
■「後ろからバンバン仲間を撃つな」
自民党の政治資金規正法改正案について、馬場代表は、5月31日に岸田文雄首相との党首会談で、維新が求めた領収書の10年後の公開などを含む合意文書を交わしたことで、「100%、我が党の考えを丸のみした」と自画自賛し、衆院で改正案に賛成した。
ところが、自民党が「(使途公開などは)今国会ではできない」と消極的になったことで、「約束が履行されない、最大限の力を使って自民党を攻撃する」(馬場代表)と参院では改正案反対に転じた。
馬場代表は「うそつき内閣といっても過言ではない」などと岸田政権批判を展開したが、維新内部からは「合意書には今国会でと書いていない」「だまされるほうが悪い」と執行部批判の声が噴出した。
党内で批判が高まる中、吉村知事は「総括する必要がある」と言い、6月26日、維新は政策活動費での対応について、党所属議員への説明会を実施することになった。
説明会で馬場代表はいきなり、所属議員らから批判が相次いでいることに触れて、「この小さい集団でですね、後ろからバンバンバンバンと仲間を撃てば、すぐにこの政党はつぶれていく」と批判封じに転じた。
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