衆院選の足音<5>立・共 政策合意見えず…選挙優先 隔たり大きく
2020/12/24
共産はこれまで、野党共闘を優先して独自候補を取り下げることが多かった。だが、今回はすでに全国で125人を擁立し、66選挙区で立民候補とぶつかる。
書記局長の小池晃は補選を意識しつつ、「共産が一方的に降ろすのではなく、共産候補で一本化する選挙区も求めたい」と立民側をけん制する。
背景には比例票の激減がある。共産は14年の衆院選比例選で606万票を獲得し、北海道ブロックでも1議席を確保したが、
17年衆院選は440万票にとどまり、北海道の比例議席も失った。共産は今回、小選挙区との相乗効果で比例票を掘り起こす戦略を描く。
「次期衆院選は比例選で850万票、得票率15%以上を目指す。比例での党躍進のための活動に、脇目も振らず力を集中する」
オンライン方式で開かれた15日の第2回中央委員会総会で、委員長の志位和夫は画面の向こうの党員に向け、こう檄を飛ばした。
共産が選挙協力の条件として呼びかけているのが、「野党連合政権」構想だ。
志位は、政権合意に基づく野党統一候補の擁立に執着し、「政権協力まで合意できた場合は、選挙協力の度合いも強くなる」と立民に決断を迫っている。
かねて志位と親交がある立民重鎮の小沢一郎は、仲介役として奔走する。
野党の候補一本化が進まなければ与党に対抗できず、立民の合流効果が雲散霧消してしまうとの危機感からだ。
「共産党と協力して政権を取ることを確認するんだ。年内に合意しろ」
11月16日夜、東京・銀座の料亭。小沢は立民代表の枝野幸男と向き合い、決断を促した。
「共産党と一緒に戦わないと厳しいことは分かっています」
枝野はこう答えたが、「政権協力」には踏み込まなかった。
基本政策で開きがある共産との連立は難しく、連立政権を前提としない選挙協力を進めたいというのが、枝野の本音だ。
共産は党綱領で、天皇制の廃止や日米安全保障条約の破棄など現実から乖離した主張を掲げる。
志位は「政権交代が実現しても、党の独自政策は政権に持ち込まない」と強調するが、本質は変わっていない。
11月29日には国会で、天皇、皇后両陛下をお招きして議会開設130年の記念式典が開かれたが、
共産は「戦前の帝国議会を踏襲した天皇中心のやり方になっている」などとして欠席した。
立民内からは「天皇制を否定する政党とは一緒にやれない」と反発の声が上がっている。
抜粋
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201224-OYT1T50013/
2020/12/24
共産はこれまで、野党共闘を優先して独自候補を取り下げることが多かった。だが、今回はすでに全国で125人を擁立し、66選挙区で立民候補とぶつかる。
書記局長の小池晃は補選を意識しつつ、「共産が一方的に降ろすのではなく、共産候補で一本化する選挙区も求めたい」と立民側をけん制する。
背景には比例票の激減がある。共産は14年の衆院選比例選で606万票を獲得し、北海道ブロックでも1議席を確保したが、
17年衆院選は440万票にとどまり、北海道の比例議席も失った。共産は今回、小選挙区との相乗効果で比例票を掘り起こす戦略を描く。
「次期衆院選は比例選で850万票、得票率15%以上を目指す。比例での党躍進のための活動に、脇目も振らず力を集中する」
オンライン方式で開かれた15日の第2回中央委員会総会で、委員長の志位和夫は画面の向こうの党員に向け、こう檄を飛ばした。
共産が選挙協力の条件として呼びかけているのが、「野党連合政権」構想だ。
志位は、政権合意に基づく野党統一候補の擁立に執着し、「政権協力まで合意できた場合は、選挙協力の度合いも強くなる」と立民に決断を迫っている。
かねて志位と親交がある立民重鎮の小沢一郎は、仲介役として奔走する。
野党の候補一本化が進まなければ与党に対抗できず、立民の合流効果が雲散霧消してしまうとの危機感からだ。
「共産党と協力して政権を取ることを確認するんだ。年内に合意しろ」
11月16日夜、東京・銀座の料亭。小沢は立民代表の枝野幸男と向き合い、決断を促した。
「共産党と一緒に戦わないと厳しいことは分かっています」
枝野はこう答えたが、「政権協力」には踏み込まなかった。
基本政策で開きがある共産との連立は難しく、連立政権を前提としない選挙協力を進めたいというのが、枝野の本音だ。
共産は党綱領で、天皇制の廃止や日米安全保障条約の破棄など現実から乖離した主張を掲げる。
志位は「政権交代が実現しても、党の独自政策は政権に持ち込まない」と強調するが、本質は変わっていない。
11月29日には国会で、天皇、皇后両陛下をお招きして議会開設130年の記念式典が開かれたが、
共産は「戦前の帝国議会を踏襲した天皇中心のやり方になっている」などとして欠席した。
立民内からは「天皇制を否定する政党とは一緒にやれない」と反発の声が上がっている。
抜粋
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201224-OYT1T50013/