
まず最初に語られたのは、ゲームAIの可能性である。
開発者もユーザーも夢見るゲームAIの姿の1つは「自分の頭で考え、気持ちを持つキャラクターの創造」である。
シナリオライターやプログラマーが設定した動きだけではなく、予想もつかない、独立した知能を持っていると感じられるキャラクター。
彼らを実現でき、プレーヤーが彼らとふれ合えたら、どんなゲーム世界が待っているか、ワクワクさせられる未来だ。モリカトロンはそんな世界を実現するという理念のもとに立ち上げられたという。
そしてAIの可能性を語っていく。プレーヤーとの会話やイベントにAIを持ったキャラクターは独自の価値観で反応していく。
それはあらかじめ設定されたプログラムを越え、キャラクター自身が考えての行動となる。
また「バランス調整」にもAIは活用できる。特にRPGなどの場合は、キャラクターの武器、レベル、ステータス、プレイ時間など様々なパラメーターが複雑に絡み合っておりバランス調整は難しい。
現在は会社としてのデータの蓄積と、開発者の経験、そして“カン”によってバランスは調整されている。
しかしガチャなどで常に新しい要素が追加されるゲームはどうなるのか、開発者がやめてしまったら?
AIによって「大体このくらいの強さのキャラクターを新規に入れたい」、
「緊張感のある戦いでゲームを盛り上げたい」など、様々な開発者の要望を、複雑なパラメーターを考慮したり、数千回のプレイを重ねて検証することで可能にしてくれるのだ。
RPGの広大なフィールド作りにもAIは活用できる。どのくらいの木が植えられれば自然になるか。
湖や山の分布は? 自然なフィールドや、敵の配置など現在は手作業で行なっているものをAIで行なうことができる。
そしてゲームの「評価」なども可能である。難しいか、簡単か、ストレスをどのように与えるか、
ゲームの総合的な強化だけでなく、プレーヤーのパラメーターを考え動的にバランスを変えることも可能だ。
スポーツゲームのチームメイトの動きもAI制御が求められる。
何千回も繰り返しプレイしてバグを見つける作業はAIで肩代わりできる。現在のユーザーの動向を考えてのバランス調整や、イベントの方針なども提示できるだろう。
キャラクターの動きや反応などのゲームの“中”だけでなく、“外側”、プレーヤーの動向や、ゲームのバランス調整などゲーム開発者を助けるツールとしても、
AIは活用可能であり、モリカトロンはそういったゲームの“中”だけでなく、バランスやコーディングなどの“調整”も行なえる会社だと本城氏は語った。
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1097691.html